出資契約書の落とし穴。創業時の資金調達とベンチャーキャピタル

2014年2月26日

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皆さんこんにちは。山本です。

先日RaQoolでは大きな障害を起こしてしまい、利用者の方々には大きなご迷惑をおかけいたしましたこと、この場を借りてお詫びいたします。
現在弊社では同様の障害が起こらないように、環境の整備を鋭意実施しております。

さて、ではブログの本題の「創業時の資金調達とベンチャーキャピタルについて」ですが、日本にもベンチャー企業に投資を行う、ベンチャーキャピタルは色々な組織があります。
その中にはいいところ悪いところ、まさに玉石混交ですが、ここでは「悪い」VCが出資時に結ぼうとしてくる契約書の危ない条項について私が見聞した範囲で書いてみようと思います。

いい大人であればある程度は自衛できると思うのですが、学生起業家志望などがよろしくない契約を結ばされているケースもあると聞くので、ご注意ください。

償還請求権

まずは一番あるあるな、償還請求権です。これは株主の請求を受けた場合、優先株式を企業に一定期間経過後に一定額で買戻させる権利です。
一定期間内に会社が解散となった場合はともかくとして、一定期間を過ぎた後は出資と言いながら原資を引き上げることが可能となるので、VCはリスクを負うことを拒否した条項です。
たとえ赤字とは行かなくとも、収益性が低いと判断されればそれでキャッシュがショートすることになったとしても、自社株買いを要求できるわけで、本義で言えば出資とはいえないのではないかと思います。実質的には連帯保証人を取らない社債みたいなものですね。

IPO目的

特定期日までの上場(IPO)を義務付ける条項です。上場を目標に経営する、ならいいのですが、この条項が契約書にあるということは必然的に達成できなかった時のペナルティも存在するということです。
まぁ昨今はIPOしたところで上場維持コストを支払うほどの価値があるかどうか甚だ疑わしい市況ですので、いずれにしても辛い項目ですね。

投資家保護条項(黄金株)

要は社内の決定事項(特に重要事項)について、同意を得ることを強要する権利です。逆に言えば拒否権ですね。
この権利を持つ人間が一人でも嫌といえば、事業は進まないですのでかなりの強権になります。わかりやすいところで言うと、国連の常任理事国のような扱いでしょうか。
まぁ特定VCからの出資比率が50%を超える場合は、経営的には無議決権株式でも発行しない限りどっちにしても同じような話になってしまいますが。

損害賠償

投資契約に違反した場合や、企業は開示した情報が不完全であった場合、それによってVCが被った損害を企業や契約者(経営者)が賠償するというものです。
まぁこのへんは損が出た場合に、ごねられるとかなり厄介です。VCのいわんとすることもわからなくはないのですが、企業の透明性を確保するというのはなかなか大変で、そのために上場企業が大変なコストを負担していることを思えばご理解いただけるかと。
ちなみに連帯保証もあって、投資契約が履行されなかった場合に、経営者にその責を連帯して賠償するものです。

新株引受権

新株発行時に以前の株式発行時と同じ比率で、新たな投資家に優先して新株を取得する機会を与えられる権利です。要はVCが持つ株式の権利の希薄化を防止します。
逆に言うと経営が安定してきたから、自社株を発行して自分たちの発言を強めようということに対して「まった」がかかっている訳ですね。
他にもこの株式の希薄化についてVCは敏感で、様々な名称の条項で似たような効力を発揮するものを仕込みます。

他にもデューデリジェンスや残余財産優先分配権など色々ありますが、その辺はある程度困る時期がしぼられてるので、ここではのちのちずっと苦しめられる条項だけをピックアップしてみました。
これらの項目が入っていたら即そのVCがダメというわけではないですが、VC側の主張としては上記のようなものであるということです。
そこから交渉を行うのは、契約者たる当事者たちの問題となりますので、ぜひぜひタフな交渉を行ってください。

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